アラフォー女が転職活動してみた。

アラフォー&子持ち女の転職までの道のりです。

【編集済み】母になった日

10/3(日)、午前4時、なんの痛みや前触れもなく、いつものように旦那とバカ話をしながらDSをしていたら、


ドンドンッ!!


と勢いよく2回、お腹の中から蹴られる。


それを合図に、次の瞬間、自分の意思とは関係なく、生暖かい液体がとめどなく溢れ出て、間違いなく「破水だ!」とわかった。


「どうしよう、破水した!!」


つぶやく間にも、ベッドが羊水で濡れていく。

旦那は一瞬驚いたものの、焦る私とは反対に、冷静にタオルを大量に持ってきてくれた。
それでも追いつかないくらい、今度は畳もどんどん濡れていく。
あまりに突然だったので、心の準備もなく(ゲームしてたくらいだし)、ただ、何故か旦那に「ごめんね、ごめんね」と謝っていた。
旦那は「何謝ってんの」と何故か半笑いだった。


「病院って夜中もやってるの? 電話したら? タクシー掴まえて来る」


旦那が冷静だったおかげで、私も少し落ち着いて、すでに荷造りしてあった入院用のバッグに、さらに必要なものをつめたり、ペットボトルにお茶を入れたりすることまでできた。


荷造りが終わった頃には、気持ちも落ち着いて、いざとなったら歩いて行こうとまで思った。
乗車拒否を覚悟していたけど、たったワンメーターの距離を、破水した妊婦を快く乗せてくれた運転手さん、ありがとう。


病院に着くと、すぐに内診。
破水したため、感染症を防ぐために抗生剤を打って、そのまま入院して陣痛を待つことに。


このときは、痛みもまったくなく、「本当に産まれるの?」というかんじだった。
6時頃に旦那とともに病室に移され、旦那の実家に連絡後、話し合って陣痛まで旦那はいったん家に帰ることに。
まだ陣痛らしきものもないし、いざとなれば病院まで歩いて5分だし、まったく寝てないし、羊水まみれのベッドも気になるし。。。


そんなわけで7時頃に旦那はいったん帰宅(のちに鍵がなくて戻ってきましたが)。
私は病院の朝ごはんをふつうにもりもりと食べながらテレビなんか見ていた。
このとき、すでに10分間隔の痛みはきていたのだけど。
助産婦さんに伝えると、10分間隔は「まだまだ」で、2、3分にならないと産まれないから大丈夫とのこと。


まだまだなのかあと、のんきに日記やmixiツイッターなど各所で破水報告。
寝ようにも10分ごとの痛みがだんだんとひどくなるので眠れない。


10分を切った頃に内診すると、子宮口2センチ。
でも、まだ分娩にはほど遠い。
しかし、時間を計っていると、だんだんと8分、7分、6分と間隔が短くなっていく。
しかも、思ったよりハイペースで進んでいたため、焦って旦那に電話やメールをする。

5分間隔になった頃には痛みも鋭くなっていて、分娩室に移動することに。
このときが10時くらいだったと思う。


「旦那さんに電話してきてもらって」と言われるものの、おそらく疲れて寝てしまった旦那には電話攻撃も通じず、
最後の砦?、義母に息も絶え絶えに電話して、旦那に「電話し続けてください」とお願いする。


分娩室に入ったらすぐに産めるのかと思っていたら、内診。
子宮口が6、7センチで、あとは椅子に座っていきみたくなるのを待つ。
痛みと“いきみたい”の違いがよくわからなかったものの、
「おしりにくるから」「う○こしたいような感じ」と言われたので理解した。


20分ほどして旦那がきて、背中をさすったり、痛みがくるたびに20秒数えてくれたりした。
うわさに聞いていたとおり、極度に喉が渇き、お茶では気持ち悪くなったため、旦那にポカリを買ってきてと頼む。


その間にまた分娩台に乗ることになり、痛みがくると助産婦さんに手を入れられて、なにやら中でぐいぐいと回してひっぱられているのがわかる。
骨盤に、今まで感じたことのないような痛みが走り、あまりの痛さに思わず声が出る。


よくドラマでは出産シーンで「ヒッ、ヒッ、フー(吸う、吸う、吐く)」ってやってるけど、あれはウソですね。
いきみを逃してるときはいいけど、実際いきむときは、長く息を吸い、そのあと息を止めてふんばらなきゃいけなかった。
これがなかなか難しくて、思わず吐いてしまったり、声が出てしまったりで、うまくいきめない。。
しかも、そのときの痛さときたら、骨盤を内側からミリミリと広げられてるようで、なんか羊水といい、エヴァっぽいなあと(エヴァのほうがそっちを意識してるんだろうが)。


両足はマジックテープで固定されているのに、あまりに力が入って、途中左足が外れるほど。

「髪の毛が見えてきましたよー」

頭が出かかっている頃に旦那が呼ばれ、横でひたすら肩をさすってくれる(実際、助産婦さんたちの声に集中していたので旦那が何を言っていたかは覚えていない)。
寝ていないせいか、極度の眠気が襲ってきて、痛みと痛みの合間の短い時間に意識が遠のいていく。
こんな場面で寝るなんて!!と思ったけど、それくらいリラックスできたほうが、いきむときにはいいのだそうだ。


助産婦さんふたりに女医さんがひとり、一緒に呼吸しながら励ましてくれる。

「次は出しましょう」

出たり入ったりが長引くと、子どもにも悪いし、何よりこれは病気じゃないから、どんなに痛くても死ぬわけじゃないんだと、自分なりに無理やり解釈し、
次は息が続かなくても、息を吐くものかと誓う。


「できたら連続でいきんだほうがいい」と言われていたので(一回でやめてしまうと、出かけたのが元に戻る)、
これが最後と、渾身の力をこめて3回連続でいきんだ。
旦那曰く、顔には青筋がピクピクとしていて、血管が切れそうな勢いだったとか。

お尻切れるかも、骨盤メキメキいくかも、それでもいいから産まれて!!


そう思ったら自然と「出てーーーーー!!!!」という言葉が口をついてた。


すると、痛みの後、破水したときに同じように、今度はもっとすごい勢いで、ズルズルッと勝手になにかが流れでるような感覚が伝わってくる。
不思議なくらい、これがとても気持ちよかった。


午前11時50分、2667グラム、49センチで息子が誕生。


産声を聞いた第一声はなんて言ったのか、「産まれたの?」だったか、「ありがとう」だったか、「てつ」だったか。。
どれも言った気がするし、とにかくさっきまでの痛みはもうなかった。


産まれたてを胸元まで持ってきてもらうと、
小さくてプルプルとしていて、でも意外に白かった。
ひとめ見て、「旦那の赤ちゃん時代だ!!」と思うくらい、旦那にそっくり。


世の中にこんなにすごい出来事があるのか、こんなに愛しい存在がいるのか、
産まれてこれまでで感じたどんな喜びも凌駕する、まさに感動だった。


私ひとりの力では産むことはできなかったと思う。
助産婦さん、女医さん、旦那、そして産まれてこようとする生命の力。
それらがすべてあって、てつが誕生した。


これまでの長年の孤独や不安といった思いが、たった一瞬で埋まり、そして温かい気持ちだけが残ったかんじ。


私を母にしてくれた息子、産まれてきてくれたことに心から感謝してやまない。
産まれてきてくれて、本当にありがとう。



産まれたて。



退院後。



旦那と息子。